良いことばかりは嘘くさい!時にはデメリットも必要!?
- 投稿日:2017年09月26日
- 作成者:watanabe.k
- カテゴリ:マーケティング
ある日、あなたは古くなった冷蔵庫を買い替えに家電量販店に行きました。並んでいる製品を見ていると気になった商品があり、店員さんに特長を聞いてみることに。
店員「こちらの商品は世界初の技術を採用しており今まで使っていた製品からまるでタイムスリップした印象を受けると思います。デザインは世界的に有名な方が担当しておりインテリアとしても価値が高く、省エネ性能もバツグンで…」という感じでまくし立てられ、商品の説明をされたとします。
店員さんの話は果たして耳に入ってくるでしょうか。
グイグイくる熱さと、やけに自信満々な厚かましい態度で良いところばかり説明されても「本当にそうなのかなぁ?」と信用しきれず、結局ネットの口コミを頼りにして製品の絞り込みを行う人も多いでしょう。
いいことばかりでウソくさい、イマイチ信用できない!
ホームページでも同様です。商材やサービスがどんなにスゴイかアピールしても、いいことばかりの説明を並べすぎると本当にそうかと疑いが残ります。
いいことばかりまくし立てられると、なぜそんな心理状態になってしまうのでしょうか。実はこれ、心理学の理論の一つになっているんです。
今回は「片面掲示・両面掲示の法則」について説明します。
「片面掲示・両面掲示の法則」とは?
物事の良い面だけを提示することを「片面提示」と言い、悪い面も提示することを「両面提示」と言います。
家電量販店の営業マンは片面表示しか行っていません。
片面表示のみの場合、人はどうしてもウラがあるんじゃないかと勘繰り、話を信用しにくい心理状態になります。
いいことも悪いことも含めて説明することを両面表示と言いますが、この場合は悪いことがすでに明らかにされているため(もちろん隠された悪い部分はあるにせよ)疑念を抱きにくくなります。つまり、話を信じやすくなる心理状態になります。
家電量販店の製品を例にとりましょう
パターンA
「このテレビは、画質がとても良く自然な色彩の表現が可能です。
また、独自のサラウンドシステム搭載で、臨場感のあるサウンドも楽しめます。」
パターンB
「このテレビは、消費電力は高いですが、画質がとても良く自然な色彩の表現が可能です。また、独自のサラウンドシステム搭載で、臨場感のあるサウンドも楽しめます。」
と売り文句があったら、AとBのパターンどちらが信用できるでしょうか。
Bのほうが信頼感ある感じがしませんか。
Aはメリットしか書いておらず、どこかカタログの文句みたいですよね。
なぜパターンBのほうが信頼感が出るの?
ではなぜパターンBのほうが信頼できる、参考になった、と思えるのでしょうか。
パターンAは、メリットだけしかありません。いいことばかり言ってると逆に胡散臭く感じます。
パターンBのほうは、「消費電力は高い」とあえてデメリットを伝えることで、画質、色彩表現、サウンドといったメリットを実現させるための裏付けになっているんですね。だから納得感が生まれ信頼度が増すわけです。
このようにデメリットを事前に伝えることで、説得力が増す以外にも、クレームを減らす効果もあります。
ただし、伝えるデメリットはなんでもいいという分けでありません。
見た目はボロいですが~、臭いにおいがしますが~、たまに動かなくなりますが~、なーんてデメリットを最初に書かれた日には、その後どんなによいことが書かれていても興味なくなりますよね。
ポイントはメリットとデメリットの関連性です。
メリットとデメリットを関連付ける意味
理想的なのはあえて記載したデメリットが、自然と後から述べられるメリットによって解決されていることです。
「消費電力が高い⇒だけど機能がスゴイ」
「湿気に弱い⇒24時間サポート対応」
ならいいですが、
「サポート対応無し⇒機能がスゴイ」
「消費電力が高い⇒サポート対応バツグン」
では関連性が薄く説得力が生まれません。
デメリットを記載する際は、後から関連性のあるメリットを伝えることでデメリットを解消する必要があります。
このように両面掲示を使用する際は注意が必要です。
メリット・デメリットを伝える順番
両面提示をする場合はメリットとデメリットを関連付けることと、順番が大切です。
デメリットを先に話してからメリットを強調します。そうすると、良い印象が残りやすくなります。
デメリットが先
「この青汁は、美味しくないけど健康にいいです。」
デメリットが後
「この青汁は、健康にいいけど美味しくないです。」
デメリット後のほうは、なんとなく飲む気が失せますね…。飲もうというモチベーションがさがります。
これはコントラスト効果と呼ばれる人間の特性を利用したもので、2番目のものと最初のものと差がかなり違うと、実際よりも大きな差を感じる傾向があります。
まとめ
片面提示とは、相手にメリットのみの片面を伝えること。
両面提示とは、相手にメリットとデメリットの両面を伝えること。
こちらのテクニックはホームページだけでなく、人間関係でも使えます。
自慢ばかりの人よりも、失敗したことも話してくれる人のほうが、
親しみがわきますし、可愛いと思ってくれますから。
うまく両面提示を取り入れてみてはいかがでしょうか。