サイト職人スタッフブログ

スマートフォンでネットサーフィンをしていると、「こんなホームページまでスマートフォン対応しているなんて・・・」と驚かされるようなことが多くなってきました。先日取り上げたGoogleのアップデートの影響もあってか、いまやホームページにとってスマートフォン対応は普通のこととなりつつあるのかも知れません。

ところで、スマートフォンに関するニュースなどで、「UI」や「UX」という言葉を目にしたことがありませんか？UIデザインが重要だとか、UX改善のポイントとかいうように、UIとUXはWeb業界のバズワード（流行語）となりました。しかし実際、その言葉の意味はどこかぼんやりとしていて、なんとなくは分かるものの、正確には捉えづらい言葉ではないでしょうか。

今回はそんな言葉の意味を簡単に解説しながら、なぜUIとUXが頻繁に取り上げられ、重要になってきたのかについてご紹介しましょう。

UIとUX

UIとはユーザー・インターフェースの略語です。ユーザーは文字通り使用者、つまり私たちのことを指します。インターフェースとはある物とある物、例えば人間と機械などの中間に介在する物、簡単に言えば「つなぐもの」です。
インターネットを使うとき、ユーザーである私達は何とつながっているでしょうか。ショッピングサイトであれば、それは欲しい商品の情報、あるいはその商品を購入するというサービスですね。SNSではまさに他人（自分以外のユーザー）とつながっているといえます。

そこで登場するのがユーザー・インターフェースです。例えばショッピングサイトで買い物をする時、私達は具体的に何をどうするでしょうか。

「私はAという商品が欲しいので、2つ注文させて下さい。住所は●●県●●市で、配送の希望時間帯は・・・」

そんな風に文字を通して希望を伝えることはしないはずです。（もしそうであれば、ネットショッピングがここまで流行することはなかったでしょう。）
欲しい商品のページで「カートに入れる」ボタンを選び、注文画面のセレクトボックスから個数を選ぶ。そんな細かな行動の積み重ねによって、私達は商品を注文しています。この時、私達とサービスをつないでいるのは、「カートに入れる」ボタンであり、注文画面のセレクトボックスです。その１つ１つが私達とサービスをつなぐもの、つまりユーザー・インターフェースの正体です。

UXとはユーザー・エクスペリエンスの略語であり、ユーザー・インターフェースと比べるともっと広い意味を持ちます。エクスペリエンスとは体験、経験という意味の言葉です。提供する情報によって、ユーザーはどのような体験をしたか？その全てがユーザー・エクスペリエンスとして捉えられます。先ほどのネットショッピングの例を挙げれば、「手軽に買い物ができて嬉しかった」という経験もユーザー・エクスペリエンスですし、「キャンペーン内容の文字が小さくてイライラした」という経験もまた、ユーザー・エクスペリエンスの1つです。

UIとUXは並べて語られることが多い言葉ですが、実は同じレベルの言葉ではないことがわかります。UIを改善することでUXも改善されます。UIはあくまでユーザーと情報の接点、UXは接することで得られる全ての体験。同じボタン1つを、UIとして考えることも、UXとして考えることも出来るというわけです。

スマートフォンにおけるUIの大切さ

UIやUXという言葉がここまで頻繁に取り上げられるようになったのは、スマートフォンの普及と密接につながっています。むしろスマートフォンこそがインターフェースとしてのデバイスを意識させ、UIやUXという言葉をメジャーにしたと言っても過言ではありません。
実際にスマートフォンを持ってみれば、それがどういうことかすぐに分かるはずです。これほどまでに距離が近く、繊細な操作が求められ、様々な機能を提供してくれる機器がこれまであったでしょうか？「さわる」「なでる」といった人間的な動きと、インターネットというデジタル情報の距離が最も近づく瞬間が、（少なくとも現状では）スマートフォンを操作するまさにその時なのです。

スマートフォンにはPCのように大きな画面はありません。マウスのように小さなポインターもありません。小さな画面を大きな指で操作しなければならない、その状況がUIの重要性を浮き彫りにしています。
UXも同じです。例えばアップル製品の「気持ち良い」動きは、まさに体験として私達に喜びを与えてくれます。PCと違い、スマートフォンは街中どこでも使用することができるため、インターネットという体験自体もまた、これまでとは異なるものとなっています。

見た目以上に重要な設計

ホームページを作るとき、私達はどうしても掲載する原稿や、使う写真や、あるいはボタンの色といったところを意識しがちです。しかしスマートフォンサイトではそれ以上に、どのような配置／動きが求められているのか、どのような経験を与えることができるのかといった点が重要になります。
インターフェースの設計は、例えば駅の改札や、建物の導線など、インターネットの外でも行われています。様々なものからヒントを見つけ出し、優れたUI/UXを設計しましょう。