サイト職人スタッフブログ

ホームページ制作の際、制作会社との打ち合わせで必ず聞かれるのが、「御社の強みはなんですか？」といった質問です。

ホームページは、ユーザーに対して商品やサービスの魅力を伝えることが大きな役割です。そのため、制作会社はホームページを設計・提案する上で、商品やサービスにどのような強みがあるのか理解する必要があります。逆に、こういった質問なしに、デザインや料金の話をするホームページ制作会社には十分に気をつける必要があります。

良いホームページ制作会社は、商品やサービスの強みをきちんと理解したうえで、それをどのように表現すべきかについて提案します。しかし、強みが一体どこにあるのかといったことは、実際に話を聞いてみないことにはわかりません。

とはいえ、いきなり「強みはなんですか」と言われても・・・という方も多いでしょう。日頃から自社の商品・サービスに触れていると、逆にその強みに気付きづらいものです。弱みならいくらでも出てくるんだけど、という方もいらっしゃるかもしれません。

今回はそんな制作会社の問いかけにしっかり答えられるよう、強みや特徴を整理する簡単な分析手法である「SWOT分析」をご紹介します。

SWOT分析とは　～お蕎麦屋さんの例～

SWOT分析とは、商品やサービスの特徴を

• ポジティブ／ネガティブ
• 内部環境／外部環境

という2×2の要素に切り分け、分析する方法です・・・といっても分かりづらいので、今回はとあるお蕎麦屋さんを例として考えましょう。

新宿駅西口より徒歩10分にあるお蕎麦屋さん「職人軒」は、50年以上の歴史を持つ老舗です。信州産のそば粉を使ったのどごしの良い本格的な蕎麦が特徴ですが、最近ではお客さんが減少傾向にあたり困っています。そこで大将は、SWOT分析を用いて「職人軒」の現状を以下のようにまとめてみました。

職人軒のStrength（強み）：ポジティブな内部環境要素

• 新宿駅から徒歩10分という好立地
• 50年以上の長い歴史と、それを支えた大将の腕前
• 信州産のこだわりの素材を使用

職人軒のWeakness（弱み）：ネガティブな内部環境要素

• 店の外観が古く、入りづらい雰囲気
• 大将が一人で調理するため、提供までに時間がかかる

職人軒のOppotunities（機会）：ポジティブな外部環境要素

• 健康食として、消化の良い蕎麦が注目を集めている
• 近所で建設途中だったオフィスビルがついに完成し、社員の出入りがある

職人軒のThreats（脅威）：ネガティブな外部環境要素

• 安価な立ち食い蕎麦屋が急増している
• 材料費の高騰に歯止めがかからない

それぞれをポジティブな要素とネガティブな要素、そしてそれらが内部環境によるものか外部環境によるものかを検討することで、簡単に整理することができます。原則としてネガティブなものには対応策を、ポジティブなものは積極的なアピールをする必要があります。

SWOT分析の落とし穴

ただし、上記で挙げた例はあくまでも大将自らが主観的にまとめた内容です。そう、ここで分析が終わってしまってはいけません。

「例えば、Weakness（弱み）で挙げられている「店の外観が古臭い」というのは、本当に弱みなのでしょうか。レトロで信頼感があると、そこに価値を感じる人もいるのかも知れません。

あるいは、Threats（脅威）で挙げられている「立ち食い蕎麦屋の急増」というのは、本当に脅威なのでしょうか。手頃なチェーン店との差別化を打ち出すことで、「多少高くてもいいから、本当はもっと美味しいお蕎麦を食べたいな・・・」と思っている人へアピールするチャンスかも知れません。

実は弱みだと思っていたものが強みだったり、あるいはその逆だったり、様々です。お客様アンケートや他社の動向など、客観的な情報と照らし合わせることで分析の精度を高めていく必要があります。

本当の強みはきっとある

強みを見つけるのは、なかなか難しいものです。しかし、「高品質」や「豊富な実績」などのありきたりな強みだけでは、ユーザーの心をキャッチするのは難しいのもまた事実です。状況をきちんと整理し、高い精度の分析を行いながら、オリジナルな強みを見つけていきましょう。それがホームページ成功の第一歩でもあるのです。