「POP?」「IMAP?」メール設定をする際の注意点と確認事項
- 投稿日:2017年09月22日
- 作成者:Ozawa
- カテゴリ:その他
ホームページを公開するために独自ドメインのサーバを契約すると、同じく独自ドメインのメールアドレスを使えるようになりますが、メールアドレスを利用するためには設定が必要になります。
一口にメール設定と言っても、メールの使い方や会社の運用方法・ルールなどによって、最適な設定は変わってきます。
今回はメールの送受信についての基本知識と、受信設定をする際の注意点についてご紹介します。
メールの送受信で使われるプロトコル
インターネットを使っていて、プロトコルという言葉を聞いたことはありませんか?
プロトコルとはネットワーク上の約束事、いわゆる通信規約・通信手段を指す言葉です。
インターネットは世界中に広がる巨大なネットワークですから、このプロトコルがないと、通信は大混乱、インターネットの世界は実現不可能になってしまいます。
ではメールの通信に使わるプロトコルにはどんなものがあるのでしょうか。
まず、メールを送信するために使われるのがSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)。対して、メールを受信するために使われるプロトコルは2種類あります。
- POP(Post Office Protocol)
POPはメールサーバに保存されたメールをパソコンにダウンロードして受信します。メールソフト主導型という呼ばれ方をしますが、未読メールか既読メールかの管理やフォルダの管理が、各ユーザーが使っているパソコンのメールソフトに任されるという特徴を持っています。
- IMAP(Internet Message Access Protocol)
IMAPはPOPとは異なるサーバ主導型と呼ばれるプロトコルで、メールをパソコンにダウンロードするのではなく、メールサーバにメールを保存したまま処理を行います。
メールサーバ内で未読/既読管理やフォルダ管理を行うので、例えば複数のパソコンのメールソフトでメールを受信しても、1つの端末で開封すれは、その後どの端末で閲覧しても既読処理がされている状態となります。
メール設定をする際には「IMAPとPOP、どちらのプロトコルで受信するか」の選択を、メールの使い方や会社の運用方法・ルールと照らし合わせた上で、慎重に行う必要があります。
それでは次に、POPとIMAPそれぞれのメリットとデメリットを見ていきましょう。
POPのメリット・デメリット
メリット
- パソコンに保存したメールの削除・フォルダ移動などを素早く行える(メールソフト内で整理整頓できる)
- サーバにメールが残らないので、サーバの容量を気にしないで済む
デメリット
- 複数のパソコンで受信できないため、送受信メールが同期されない
※メールソフトで「受信したメールをサーバに残す設定」を行えば対処できますが、同期はできないため、例えば1台目のパソコンで不要なメールを削除しても、2台目のパソコンでは削除されず、同様の作業が必要になります
IMAPのメリット・デメリット
メリット
- 複数端末で同時に利用しやすい(未読メールや/フォルダ設定なども同期され、メールを複数のパソコン、スタッフで一元管理しやすい)
- サーバにメールが残るのでパソコンが壊れても、メールが無くなる心配がない
- サーバにメールが残るのでパソコンのディスク容量を気にしないで済む
デメリット
- メールサーバの容量制限に達した場合、適時不要なメールの削除が必要
受信プロトコル、どちらを選ぶ?
それでは最後に、POPとIMAPのメリット・デメリットを踏まえ、どちらのプロトコルを使うべきか、判断基準パターンをご紹介します。
POP設定を選択したほうがよいパターン
- メールの送受信を行うパソコンが基本的に1台のみ
- サーバの容量が少ない
- パソコンのディスク容量が十分にある
IMAP設定を選択したほうがよいパターン
- 1つのメールアドレスを複数のパソコンやスマホ、また複数のスタッフで共有したい
- サーバの容量が十分にある
- パソコンのディスク容量が少ない
イメージとしては、会社の課内で共有して使うメールアドレスであればIMAPで設定すると便利ですし、個人利用のメールアドレスであればPOP設定、個人の範疇で複数端末で受信したい場合には受信メールをサーバに残す設定を行っておく、という形がベターといったところでしょうか。
まとめ
メール送受信のプロトコルの意味と機能をご理解いただけたでしょうか。
POPとIMAPは一長一短です。メールの受信形式を選択できるサーバであれば、POPとIMAPの違いを理解した上で選択・設定しておくと、その後メール運用を快適に行うことができると思います。
また、サーバ会社によってメールの機能や仕様が異なり、そもそもIMAPが使えない場合などもありますので、利用を考えている方は事前確認をお忘れなく。