マジカルナンバー7±2をホームページに活用
- 投稿日:2017年12月22日
- 作成者:Ozawa
- カテゴリ:その他
突然ですが、みなさん、マジカルナンバー7(±2)ってご存知ですか?
なんじゃそら。新しいトランプのゲームか?と思った方もいるかもしれませんね。
「マジカルナンバー7±2」とは、アメリカの心理学者ジョージ・ミラーが書いた論文のタイトルです。趣旨は、日常生活の中で、人が短期間で認識できるのは7個(個人差により±2)程度だということ。今回はその事例と、ホームページへの活用例をご紹介します。
たとえばお買いもの
中学生のAくんはお母さんに買い物を頼まれました。
大根、はくさい、にんじん、じゃがいも、小松菜、ほうれんそう、ねぎ、ニラ、チンゲンサイ、ピーマンに、あとごぼうと、れんこんをお願ね、と言われたAくん。
大丈夫、覚えられるさ!とタカをくくりいざスーパーへ。
買い物かごを片手に母の言葉を思い出すAくん。
えーと、ピーマン、じゃがいも、にんじん、はくさい、ニラ、ねぎと…あれ?あとなすだったけな、キャベツも頼まれたっけ?んん?
結局Aくんが買ってきたのは、11個頼まれた野菜のうち7つ。あとは自分が好きなアイスクリームとおかし、そしてなぜかキンカンを購入し帰宅。
「え?なにこの小さいみかんみたいなやつ。え?キンカン?砂糖漬けにすると良い?このバカたれ!キンカンなんて頼んだ覚えないし、食べたこともないわよ!」と、見事にお母さんに怒られてしまいます。
この例のように、頼まれたものの7つ程度は思い出せてもそれ以上になると途端に覚えていられなくなる。
これは買い物だけに限らずどんなことにも当てはまる、人の短期記憶に関する特徴であるとジョージ・ミラーは言います。
実はこの数字、ホームページを設計する上でも非常に重要なんです。
マジカルナンバー7±2を活用したホームページ制作
短期記憶に関する理論から、人は一度にたくさんのものを覚えることができないと考えましょう。
翻ってホームページです。
初めて訪問したホームページが、情報がたくさんあり過ぎて困った経験はありませんか?
ユーザーは、ホームページにアクセスしたとき、自分に必要な情報があるかどうかを数秒で判断し、「探している情報がない」と思ったらすぐに帰ってしまいます。
情報の粒度もバラバラ、似たようなタイトルのコンテンツが10個以上並んでいるごちゃついたホームページならなおさら、すぐに離脱してしまうでしょうね。
だからこそ情報は整理されている必要があります。
そしてマジカルナンバー7±2の理論を参考にした構成にしたほうが良いのです。
ユーザーに内容を認識してもらうために、情報カテゴリーは「7つ以内」のブロックで作ることを意識して、各要素・各情報を整理、グルーピングしていきましょう。
ナビゲーションメニューを例にすると
ユーザーを誘導するためのナビゲーションメニューですが、こちらも7個以内に収めたい項目です。
もちろんホームページ運営者からすると、どのページも見てほしいとは思います。しかしそうした気持ちばかりが先に来てしまうとあれも入れよう、これも入れようと、先ほど紹介したようなごちゃまぜなホームページになってしまいます。
何も知らない会社なのにいきなり、「HOME」「コンセプト」「業務案内」「製品紹介」「お客様の声」「導入事例」「実績」「よくあるご質問」「会社案内」「アクセス」「採用情報」「ブログ」といったメニューがずらっと並んでいたら、どうでしょう?
どこから見ればいいの?この会社は一体何をしている会社なの?
これでは選択肢が多すぎて、どこに行ったら目当ての情報にたどり着けるのかわからなくなってしまいますよね。
1つのメニューにまとめられるものはまとめよう!
ナビゲーションメニューでいえば、「HOME」「コンセプト」「業務案内」「製品紹介」「実績」「よくあるご質問」「会社案内」などにとどめ、優先度・重要度の低いメニューは別の位置で掲載、具体的には適宜バナーで表現するなどの対策を行ったほうがよいでしょう。
当然ながらこうしたバナーの数も多くなればなるほどユーザーを惑わしてしまうため、5個程度に留める必要があります。
上記のようなホームページ全体に関わる要素以外でも、同じことが言えます。たとえばコンテンツ。
「当社が選ばれる20の理由」「集客するためのテクニック50カ条」といった読みものがあったとして、このタイトルをみて中身を読みたいと思いますか?
内容を把握してもらいたいのではなく、「すごいたくさんのテクニック!」とインパクトを与える目的であれば別ですが、きちんと読んでほしい、把握してほしいのであれば、3つや5つ、7つなどある程度の数にまとめたいところです
その他、親コンテンツの中にある子コンテンツの数、例えばブログのカテゴリーの数なども数を増やしすぎると読んでもらえないことが多くなります。
まとめ
ところでこのマジカルナンバーですが、その後研究が続き、現在の調査では2001年に ネルソン・コーワンが提唱した「4±1」が正しい数値であるとも発表され、定説とされています。
もちろん、要素によっては「7つまではできても、4つまでまとめるのは難しい」場合もあるかもしれません。しかし少なくとも、ユーザーに情報を認識してもらうためには、できるだけ整理・グルーピングを行ったほうがよいことに間違いはありません
現在、ホームページに載せたい情報をただただ複数並べてしまっている方は、まとめられるものはないか、確認してみると良いでしょう。