シニア向けWebサイトの制作で気を付けるべきポイント
- 投稿日:2020年12月01日
- 作成者:machimura.t
- カテゴリ:その他, デザイン
近年、60歳以上のシニア層もインターネットを積極的に利用しています。今後、高齢化社会を迎える日本では、シニア層の利用を意識したWebサイト制作が非常に大きな鍵を握ってくるのではないでしょうか。
では、シニア向けのサイトを作る場合、どのような点に気を付ければいいのでしょうか。今回は、シニア向けWebサイトの制作で事前に気をつけておくべき重要なポイントについて解説します。
色のコントラストに気を付ける
歳を重ねると色覚が衰えてくるため、細かい色を見極めることが困難になってきます。特に「白内障」の方はパステルカラーや彩度の低い色が識別しづらくなるので注意が必要です。
例えば、日本工業規格では、背景とテキストのコントラスト比について4.5対1以上にするように推奨しています。もし、多くの人にとって見やすいWebサイトを目指すのであれば、色合いを変更できる機能を事前搭載しておくと良いでしょう。
アイコンにはテキストを併記
最近のWebサイトでは、メニューやSNSのリンクなどをアイコンで表示するケースが多くなっています。しかし、インターネットに日頃から慣れ親しんでいなければ、それらのアイコンがどういう意味なのか理解するのは困難です。
例えば、青い鳥を見て、ツイッターをイメージできるのは、SNSに関する知識があるからです。そのため、アイコンを表示する場合は、そのアイコンがどのような意味を持つものなのかテキストを添えるようにしましょう。
スマートフォンに最適化する
近年は、らくらくフォンや高齢でも使いやすい簡単スマホなど、シニア層にも便利なスマホが普及しています。そのため、Webサイトがスマホ対応されていないとPC用のレイアウトで表示されるため、テキストが小さく読みづらかったり、誤った項目をタップしてしまったりすることがあります。
それを防ぐためにも、スマートフォンに合わせてフォントが変更される機能を搭載しましょう。例えば、文字サイズが「大」「中」「小」と3つのタイプから選べるようにしておけば、とても見やすいと思いませんか?
特に、政府機関や市などが運営するWebサイトは、若者からシニアまで年齢を問わず、多くの人が利用するため、文字サイズを変更できる機能の搭載は必須といえます。
このような文字サイズ変更機能を用意しておかなくても、シニア層しか利用しないとわかっているのなら、最初から文字サイズが大きいWebサイトを制作するというのもひとつの手段です。
クリックできる場所を明確に
文字リンクの場合は下線をつけるなどし、通常の文章との違いを明確にしましょう。また、ボタンの場合は、押せることがわかるような立体感のあるデザインにする必要があります。一般的に、見やすいボタンの幅は32px以上といわれています。
他にも、小さなボタンを扱うような機能や細かな操作が必要な設定は、すべてなくすようにしてください。シニア層に話を聞いていると、「年をとってから目が見づらくなって、手の震えが出始めたので、細かい作業はできません」と伝言いただくことがあります。
思わず押したくなるボタンとはどのようなボタンなのか。見やすさはもちろん、操作性の両面からクリックできる場所を明確に伝えていきましょう。
電話番号は見やすいところに大きく表示
シニア層の中には、「文字の入力は非常に苦手ですが、電話はできます」という方が一定数存在します。そのため、電話番号をファーストビューの目につくところに大きく表示することで、メールや問い合わせフォームに不慣れな方でも、安心して問い合わせができます。
特に、シニア層は、困ったことがあれば電話ですぐに相談できるWebサイトに対して非常に強い信頼感を抱きます。電話番号を表記する場合は、パソコンとスマホの両方から見やすい場所を見つけていきましょう。
英語や専門用語を利用しない
インターネットの世界には、当たり前に使われている用語がたくさんあります。例えば、アクセスやコンタクト、フォームなど、私たちにとっては「これくらいわかるのでは?」という用語でも聞き慣れないため、正しく伝わっていないというケースが多々あります。
では、どうすれば正しく伝えることができるのでしょうか。例えば、アクセスについて言い換えてみましょう。アクセスとは、該当場所への行き方を意味する言葉です。そのため、交通情報と表現できないでしょうか。
コンタクトと表現するよりも、連絡先と表記した方がシニア層には伝わりやすいです。英語やIT業界特有の専門用語を使いそうになったら、日本語表記する場合、どのように言い換えられるか考えてみましょう。
まとめ
シニア向けサイトを作る上では、流行や見栄えの良さよりも使いやすさに重点を置く必要があります。電話番号やアイコンへのテキスト表示など、少しの工夫で非常に見やすいWebサイトを作るため、「私がシニアだったら、どうだろう?」と考えて、使いやすく見やすいサイト作りを心がけていきましょう。