写真の著作権について~Webサイトに掲載するときの注意点~
- 投稿日:2021年11月23日
- 作成者:machimura.t
- カテゴリ:その他
Webサイトに写真を掲載する際に、意識しなければならないのが著作権の問題です。誤って掲載してしまうと、「私の写真を無断で使用しないでください。著作権違反ですよ。」といわれてしまう可能性があります。
最近では、SNS上の画像がサイト上のコンテンツとして無断で利用されるケースがありますが、著作権侵害とならないのでしょうか。また、自分で撮影した写真であれば、どのような写真であっても、著作権を違反することなく掲載要件を満たしているといえるでしょうか。
今回は、写真の著作権について、どういうときに著作権の侵害になってしまうのか、注意点をわかりやすく解説していきます。
著作権とは?
そもそも、著作権とは、独創性のある創作物や思想、文学などの表現物を排他的に利用する権利のことです。そのため、詩や小説、音楽、建築などには、すべて著作権があります。なぜなら、すべて表現者によって独創的に表現されたものだからです。
ちなみに、著作権の発生する著作物は、有形無形であることはといません。では、アイデアは、どうなのでしょうか。一見するとアイデアにも、著作権が認められるように感じます。しかし、アイデアは、ちょっとした情報の伝達や思いつきによる情報に過ぎないケースが多いため、著作権は認められていません。
Webサイトに掲載する際の注意点
Webサイトに写真を掲載する場合、どのような注意点があげられるでしょうか。いくつかのケースから著作権違反に該当するか考えてみましょう。
インターネット上の写真
インターネット上の写真は、もっとも無断で利用されるケースが多いですが、著作権違反とならないのでしょうか。もちろん、インターネット上の写真には著作権があります。そのため、インターネット上で公開された写真を利用する場合は、「自社のWebサイトで貴社の写真を公開したいのですが良いでしょうか?」と聞きましょう。
その結果、著作権元が「ご自由にご利用ください」と許可を得ることができたのなら問題ないでしょう。もし、許可なく写真を自社サイトで公開した場合は、著作権違反なのはもちろん、公衆送信権の侵害となり、無断でコピーした場合は複製権違反となります。
カメラマンに撮影してもらった写真
カメラマンに写真の撮影を依頼する場合、著作権は撮影者であるカメラマンが有しています。たとえば、「この撮影した写真の掲載は、このページで~のような使い方に限定されます。それ以外の使い方をしないでください。」といわれている場合、その限定された使い方しかできません。
特定のWebサイトにしか使用が限定されていないものを、無断で別の用途で利用した場合、著作権違反となってしまいます。著作権違反になりたくなければ、発注時と異なる用途での使用にならないかを考えるのはもちろん、写真の使用範囲を著作権者に事前に聞いておくとよいでしょう。
自分で撮影した写真
自分で写真を撮影した場合、まず前提となるのは、撮影物はだれが著作権を有しているのかということです。たとえば、パソコン上で制作された独創的な絵は、その作成者が著作権者となりますが、カメラで撮影した場合でも同様に、カメラの撮影者が写真の著作権者となります。
しかし、自分で撮影した写真なら、著作権による問題がないため、どのような写真でも利用して良いわけではありません。なぜなら、被写体となった人の造形は、肖像権と呼ばれる権利で保護されているからです。
肖像権とは、自分の姿を許可なく撮影されない権利をいいます。他人の姿が映っても肖像権の侵害とならないケースとしては、報道目的や公益目的の場合です。また、被写体の方が「撮影して自由に使って良いですよ」と許可が得られていれば、肖像権の侵害となりません。
写真素材サイトで入手した写真
写真素材サイトの画像をWebサイトに掲載する場合は、事前に利用規約を確認しましょう。利用規約に、写真の使い方に関する記載があります。「この写真を営利目的で使ってはいけない」「写真を利用する場合は、掲載場所下部に撮影者情報を記載する」など、サイトの規約を守って使えば、著作権違反とはなりません。
クリエイティブコモンズライセンスについて
著作権違反とならないためには、クリエイティブコモンズライセンスについて理解しておきましょう。クリエイティブコモンズライセンスとは、著作権の規約のようなもので、それを見れば「この使い方だったら著作権違反となりませんよ。自由に使って良いですよ。」というのがわかります。クリエイティブコモンズライセンスには、次の4つの種類があります。
- 表示
- 非営利
- 改変禁止
- 継承
これらを組み合わせることで、6つの意思表示を可能としています。
まとめ
Webサイトに写真を掲載する場合は、著作権者はだれなのかを調べてから利用しましょう。しかし、著作権が自分にあっても、場合によっては被写体の肖像権を侵害してしまうことがあります。
少しでも違反によるリスクを下げたいのなら、クリエイティブコモンズライセンスへの理解を深め、自分が著作権違反をしないのはもちろん、他者に違反させない意思表示をしていきましょう。