コンバージョン率(CVR)を上げるには?4つの方法を解説
- 投稿日:2024年05月27日
- 作成者:machimura.t
- カテゴリ:その他
Webサイトの売上がなかなか伸びなくて困っていませんか。その際は、コンバージョン率に着目してマーケティング改善をしていくと、具体的な解決策が見つかることがあります。
今回は、コンバージョン率とはいったいどのようなものなのか、計算方法や平均値、具体的に数値を上げる方法についてわかりやすく解説していきます。
コンバージョン率とは
コンバージョン率とは、Conversion Rate(CVR)の略称で、全体的なWebサイトへのアクセスのうち、コンバージョンした検索ユーザーが何%存在するのかを示す指標のことです。このコンバージョンとは、Webサイトへの問い合わせや資料請求、メールマガジンへの会員登録、商品決済、見積依頼などの売上につながるユーザーのアクションのことです。
コンバージョンというと、商品決済だけがイメージされがちですが、Webサイトへのお問い合わせも立派なコンバージョンとなるため、Web担当者と会話するときは何を意図しているのか、明確にしてから話すことが大切です。
たとえば、メールマガジンへの登録をコンバージョンと考え、コンバージョン率が1%あるとするのであれば、100アクセスあった場合、そのうち1アクセスがメールマガジンへ登録してくれるということです。
コンバージョン率の計算方法
Webサイトのコンバージョンを正しく把握するには、コンバージョン率の計算方法について理解しておく必要があります。コンバージョン率は、下記の方法で簡単に計算できます。
CVR(%)=コンバージョン数÷全体のアクセス数(またはクリック数)×100
たとえば、Webサイトへの全体アクセスが100アクセスとなっており、そのうちコンバージョンとなるメールマガジンへの登録が50件ある場合は、コンバージョン率は50%となります。つまり、Webサイトへ2アクセス集めることができれば、1アクセスはコンバージョンにつながるということです。
自社のWebサイトを運用しており、何かコンバージョンが発生している場合は、そのコンバージョン率を調べることから始めてみましょう。ただし、そのコンバージョン率が非常に低いからといって、残念に思う必要はありません。なぜなら、提供する商品やサービスによって、参考にするべきコンバージョン率の指標は大きく違うからです。のちほど、平均的なコンバージョン率についてお伝えしていきますので、ぜひその指標を参考にしてください。
コンバージョン率を上げるメリット
コンバージョン率を上げることができれば、既存の初期段階の顧客から効率良く売上を増やすことができます。たとえば、Webサイトへの全体アクセスを1000とした場合、コンバージョン率が1%であればコンバージョン数は10件となります。
しかし、コンバージョン率を10倍の10%に増やすことができれば、同一状況のWebサイトでもコンバージョン数を100件にまで上げることができます。つまり、全体アクセスを増やすことができなくても、効率良く成果につなげられるということです。
また、売上を伸ばす以外にも、アクセスの無駄をなくすという観点においても、コンバージョン率の改善は非常に有効です。全体アクセスが増えていないにもかかわらず、コンバージョン率が改善できたということは、Webサイトの訪問者の中にコンバージョンする可能性があったにもかかわらず、正しく誘導できなかったユーザーが存在していたことを示しています。
このようなアクセスの無駄を減らすことで、Webサイトの全体アクセスが増加しても、機会損失なくコンバージョンポイントへ誘導できます。
平均的なコンバージョン率
コンバージョン率の平均は、業界によって目安とするべき数値は異なります。一般的には1%~10%の範囲であれば、良いとされていますが、それぞれの業界の平均的なコンバージョン率は次のとおりです。
業界 | コンバージョン率 |
---|---|
教育 | 0.98% |
BtoB | 0.80% |
IT系 | 0.86% |
消費者サービス | 0.98% |
人材派遣サービス | 1.57% |
出典:株式会社進和製作所 (https://kss-shinwa-ss.co.jp/)
こちらは、GDN(Googleディスプレイネットワーク)のデータを参考に引用しております。平均的なコンバージョン率に関するデータを参考にする上で、注意すべきことがあります。それは、何のコンバージョン率なのかということです。
今回であれば、GDNの平均的なコンバージョン率を参考にしましたが、目安として紹介されている数値が何をコンバージョンとして算出されているのか、不明瞭な状態であれば、数値として参考にできません。そのため、データの参照元の情報はしっかりとチェックしましょう。
コンバージョン率が低い原因
コンバージョン率が低い原因は、大きく次の3つに分類できます。
- Webサイトの構造に問題がある
- 広告との関連性が低い
- フォームの記載項目が多い
それぞれご説明します。
Webサイトの構造に問題がある
Webサイトへのアクセスが増加しているにもかかわらず、コンバージョン率が低いのは、正しい導線設計ができておらず、ユーザーが必要としている情報を提供できていない可能性が高いです。
必要な情報にアクセスするために、さまざまなページを閲覧したり、開いたページを閉じたりするアクションが必要なWebサイトでは、ユーザビリティは高いとはいえません。ユーザーをコンバージョンへ正しく誘導するためにも、誘導リンクを設置したり、情報の伝え方を見直して、直感的に伝わるWebサイトへと変更していきましょう。
広告との関連性が低い
Webサイトに掲載している広告との関連性が低い場合、コンバージョン率が低下する原因となってしまいます。たとえば、キーボードの紹介記事であるにもかかわらず、デスクトップパソコンの広告では、検索ユーザーの反応は非常に悪くなってしまうでしょう。
広告を設置しているのに、なかなかコンバージョンしない場合は、広告訴求の仕方自体が間違っている可能性が高いので、しっかりと見直しましょう。
フォームの記載項目が多い
フォームの記載項目の数は、コンバージョン率に大きな影響を与えやすいです。たとえば、不要な記載事項の多いフォームは、ユーザーに大きな負担となってしまいます。そのため、フォームの記載項目は、必要最小限で抑えることがポイントです。
コンバージョン率を上げる方法① ~CTAを設置する~
コンバージョン率を上げる方法として有効なのは、CTAを設置することです。
CTAとは?
CTAとは、「Call To Action」の略でWebサイトの訪問者に行動を喚起する役割があります。そのため、正しい場所にCTAを設置すると、自然とコンバージョン率や売上が向上していきます。
たとえば、Webサイトを閲覧していると、「メルマガに登録する」や、「アプリを取得する」「資料を請求する」「電話相談を依頼する」「見積もりを依頼する」といったボタンを見たことがあるのではないでしょうか?これらは、Webサイトへ訪問したユーザーの行動喚起を目的に設置されています。
つまり、何かしらの行動を促すために設置されているものなのです。そのため、何か行動を促したいと思う場所には、CTAの設置が必要となります。
CTAの種類
何か行動を促したい場合に設置するCTAですが、具体的には下記のような種類があります。
- 購入(商品を買ってほしい)
- メルマガ登録(メルマガに登録してほしい)
- お問い合わせ(商品についての疑問を聞いてほしい)
- 資料請求(資料を見てもらって、買うべきかの判断をしてほしい)
- 資料ダウンロード(資料請求と同様)
- 見積り依頼(具体的な見積もり額を提示して、仕事に繋げたい)
- 電話予約(電話予約してもらって、仕事に繋げたい)
- 会員登録(会員登録してもらって、後日お得な情報を配信してアプローチしたい)
それぞれのCTAには、設置した人の目的があります。このような背景を知っておくだけでも、今後Webサイトの見方は変わってくるでしょう。
CTAの有効な設置場所
CTAは、下記のような場所に設置されることが多いです。
【ヘッダーやフッター】
ヘッダーやフッターは、非常にコンバージョンに繋がりやすいポイントです。こちらには、電話番号や資料請求のCTAを設置するケースが多いです。
出典:株式会社進和製作所 (https://kss-shinwa-ss.co.jp/)
【サイドバー】
サイドバーは、どのページにアクセスしていても、常に表示できる要素です。そのため、資料請求やお問い合わせなどのCTAが良いでしょう。
出典:CHILD BODY THERAPIST (http://baby-ihta.com/)
【ファーストビュー】
ファーストビューは、ユーザーが離脱するかを決める大切なエリアです。離脱される前に、キャンペーン情報を伝えて離脱の可能性を少しでも抑えていきましょう。
出典:セキダイ工業株式会社 (https://www.sekidai.co.jp/)
【コンテンツとコンテンツの間】
素晴らしいコンテンツを作成すれば、ユーザーは、今以上に情報が欲しいと考えます。その場合、資料請求や見積もりを依頼するなどのCTAがあれば行動を促すことができます。
出典:酒居会計事務所 (https://www.sakai-zeimu.jp/)
【フローティングメニュー】
フローティングメニューは、ユーザービリティの向上に非常に役立ちます。いつでも自分の都合の良いタイミングで対象ページへのアクセスを可能にする便利なエリアなので、コンバージョンに繋がる電話予約や資料請求など、好きなCTAを設置しておきましょう。
出典:株式会社KeyLink (https://www.key-link.co.jp/)
いくつか事例を紹介しましたが、CTAの種類によってもユーザーの心理的ハードルは異なります。そのため、自社にとって効果的なCTAを設置し、コンバージョン率を上げるための改善が必要となってきます。
コンバージョン率を上げる方法② ~CTAを工夫する~
CTAの設置の仕方を工夫することでコンバージョン率を上げることができます。しかし、CTAは、どのように設置すれば大きな効果を発揮するのでしょうか。工夫のポイントをご説明します。
文言を見直す
CTAの反応が悪ければ、文言を見直しましょう。「会員登録する」よりも「深く知る」という表記の方が、反応が良くなるかもしれません。また、「使ってみる」よりも、「無料キャンペーンで試してみる」の方が反応が良くなることもあるでしょう。全体のアクセスが多ければ、1%のコンバージョン率の改善だけでも、非常に大きな効果を発揮します。
ベネフィットを明確にする
ユーザーにとって、Webサイトのフォームから自分の情報を送信し、お問い合わせを行うことは決して低いハードルではありません。だからこそ、お問い合わせすることで、どのようなベネフィット(利益)を得られるのか、明確にしておく必要があります。
お問い合わせであればいつ頃担当者から連絡が来るのか、資料請求であればいつ頃資料が届くのか、資料の中にはどのような役立つ情報があるのかなど、可能な限り具体的なベネフィットを提示することで、ユーザーの背中をひと押しする事ができます。
リスクを払拭する
多くの検索ユーザーは基本的に保守的です。「どうなるか分からないけど取り敢えずお問い合わせしてみよう」とはなりません。お問い合わせによって得られるベネフィット(利益)を明らかにする一方、想定されるリスクについても事前にケアしてあげる必要があります。
特に、「~をゲットする」などCTAボタンでは、よりユーザー側の警戒意識も高くなりがちです。その際は、登録不要や無料などといった心理的障壁を下げる表現に変更すると非常に効果的です。
選択肢を減らす
CTAは、極力1つにしましょう。同じようなCTAを複数設置してしまうと、ユーザーに迷いを与えてしまいます。そのエリアでどのようなアクションをすれば良いのか、明確にわかるように選択肢を減らしていきましょう。
見てすぐに分かるデザインにする
CTAは大きく目立つデザインにしてください。想定される最悪なケースの1つは、「どこをクリックすればお問い合わせ(資料請求)できるのか分からない」です。お問い合わせページまで辿り着いてもらえない限り、コンバージョン率アップはありえません。
だからこそ、お問い合わせページへの導線であるCTAボタンは、デザイン的に分かりやすくある必要があります。余白や色、形状など、さまざまな要素から見やすくなるように工夫してみましょう。
ユーザーに選択肢を与える
ユーザーの要望は多種多様です。同じお問い合わせといっても、本気でその商品やサービスを検討しているユーザーのお問い合わせと、なんとなく興味を持ったレベルのユーザーのお問い合わせでは、運営側のアプローチも異なります。
Wantedlyという就職情報サイトでは、「応募する」とは別に「話を聞いてみたい」というボタンを設置しています。これもまた、事前にユーザーの要望を想定してアクションを分類した一つの例と言えます。
目につくところにCTAを設置する
CTAは、多くの人が見る場所に設置するのが定石です。人の見ない場所に設置しても、大きな効果は得られないため、どこなら見られるかを考えてコンバージョン率が上がるよう慎重に設置しましょう。
コンバージョン率を上げる方法③ ~EFO(エントリーフォーム最適化)の実施~
コンバージョン率を上げたいのなら、EFOが有効です。EFOとは、Entry Form Optimisation(入力フォーム最適化)の略で入力フォームをユーザーが入力しやすいように最適化することをいいます。
EFO対策では、不必要な項目を削除したり、入力補助機能によってユーザーに生じる手間を軽減したり、利便性を損なう要素を事前に排除します。そして、これらの問題を事前に解決しておくことで、確実にコンバージョンへとつなげていきます。具体的なEFO対策のポイントは、次のとおりです。
入力項目を極力減らす
フォームの入力項目が多いと、離脱の大きな原因となってしまいます。なぜなら、たくさんの情報入力が必要だと、ユーザーが非常に面倒だと感じてしまうからです。そのため、EFO対策を行うのなら、入力項目を最小限まで減らしてしまいましょう。
たとえば、ユーザーの興味や関心など、発送にあたって必要のない項目については、すべて削除してしまいます。最終的にどのような情報が必要なのかを逆算して、必要な項目だけ残しましょう。
必須項目と任意項目を分ける
たくさんの項目を残す必要がある場合は、必須の項目と任意の項目の2つに分けてしまいましょう。たとえば、名前やメールアドレス、発送先などの情報は、(必須)情報として表示します。
一方で、会社へのコメントや気になる質問に関しては、任意項目として表示しておけば、会社にとって役立つ情報が手に入る可能性があります。
入力例を表示する
EFO対策において、何を記述すべきなのか、先に示すことはエラー発生の回避に非常に大切なことです。たとえば、名前をカタカナでの記述を求める場合は、(ヤマダタロウ)と入力例を表示しておくことで、エラーの発生率を抑えられます。
完了までの流れを示す
情報を記述していると、「次の操作で決済になるのかな?使いたいポイントがあるけど、反映させる場所ってあるのかな?」と疑問に思うことはないでしょうか。ユーザーは、完了までの流れがないと不安を感じてしまいます。
そのため、EFO対策を行うのなら、ステップ1・ステップ2・ステップ3と外枠に遷移場所を表示して、どのエリアにいるのか明示してあげましょう。
他のページへのリンクを削除する
決済ページやメルマガ登録ページなどでは、他のページへのリンクは表示しないでください。なぜなら、リンクをクリックされてしまったら、コンバージョンに至らずに他のページに移動されてしまうからです。そのため、他ページへの移動に繋がるようなリンクは、すべて削除しておきましょう。
リセットボタンは設置しない
リセットボタンは、離脱に繋がる大きな要因となります。なぜなら、すべての入力が終わったあとに、誤ってリセットボタンを押してしまったら、それまでの情報がすべて消えてしまうからです。そうなってしまったら、決済を決めていてもやめてしまうでしょう。
そのような誤作動に繋がるような要素は、事前に排除しておくとWebサイトの利便性の向上に繋がります。
コンバージョン率を上げる方法④ ~導線設計の見直し~
アクセスのあるWebサイトでのコンバージョン率の改善に非常に有効なのが導線設計の見直しです。まずは、導線設計とは何かについてご説明します。
想定されるユーザーのアクションに沿って導線設計を見直す
導線とは、Webサイトの管理者がWebサイトへアクセスするユーザーがどのようなアクションをしてほしいかを推測して、事前準備をしておくことをいいます。
つまり、ユーザーがWebサイトへアクセスした際に、アクションしやすい導線を準備し、無駄なく目的の行動が起こせるように工夫するのが導線設計です。あくまでも導線設計は、推測に基づくものなので、想定されるユーザーのアクションに沿って定期的な見直しが必要です。
ユーザーの集客経路を把握し、集客元ページに効果的に導線を設置する
ユーザーの導線設計で大切なのがデータ分析で集客経路を特定することです。ユーザーはどこからアクセスしてきているのか、どれぐらいの数が集客されているのかを数字で理解しておくことで、集客元となるページに効果的な導線を設置しやすくなります。
アクセス数の多いページに効果的な導線を設置する
導線改善をするのであれば、アクセス数の多いページから改善するようにしてください。小さな問題点を改善するよりも、大きな問題を改善した方が改善後の効果を実感しやすいです。データ分析をしていれば、アクセスの多いページがわかっているかと思いますので、改善効果が期待できるページから着手していきましょう。
離脱率の高いページに効果的な導線を設置する
コンバージョン率の低いページは、離脱率が高いケースが多いです。GoogleアナリティクスのようなITツールを利用すれば、どこで離脱しているのか簡単に調べることができますので、離脱率が高いページが見つかったら、原因を探って改善していきましょう。
まとめ
コンバージョン率は、CTAの設置や導線設計を見直すことで上げることができます。ただし、必要以上にCTAを設置したり、無理にクリックを誘導したりするような設置方法は、ユーザーに悪い印象を与えてしまいます。そのため、ユーザーに悪い印象を与えないように問題箇所を探して丁寧に改善していきましょう。