サイト職人スタッフブログ

突然ですがみなさん、「松竹梅の法則」をご存知でしょうか。
この法則、実は日常生活でおカネを使う時に頻繁に出会っているかもしれません。
自分が商品を選んでいるはずなのに実は選ばされている、なんて知ったら…。

松竹梅の法則とは？

分かりやすく説明するために、テレビで例えてみます。

同じメーカーで価格の異なるテレビが3つあります。
次のうち、あなただったらどれを買いますか？

Ａ：12万円
Ｂ：7万円
Ｃ：3万円

Ａはよさそうだけど値段が高すぎるよなあ。
Ｃは安いけど、長持ちするかどうか不安だし…。
よし、じゃあ間をとってＢにしよう！

いかがでしょうか。このような流れで、結局Ｂを選びませんでしたか？

このように高い、中ぐらい、安いといった具合で上中下3段階の価格帯を設定すると、多くの人は真ん中の価格の商品を選ぶ傾向があります。
この傾向を松竹梅の法則、もしくは極端性回避の法則と呼びます。
飲食店では昔から良く知られている法則で、たとえばうなぎやてんぷら、懐石料理などでは、松竹梅と3段階の価格設定を行い、竹の料理がよく出るように調整していたようですね。
特に日本人は極端なものを避ける傾向が強く、中間である「無難なもの」を選びたいという心理が、外国人よりも強く働くそうです。

この松竹梅の法則、欧米ではゴルディロックスの法則と呼ばれています。ゴルディロックスとは英国の童話「ゴルディロックスと3匹のクマ」から来ています。主人公の女の子、ゴルディロックスが物語のなかでちょうどいい物ばかりを選んでいくところから、この法則が生まれたというわけです。

売上の割合は2:5:3

「松・竹・梅」と設定された価格のうち、お客さんが選ぶ割合はおおよそ「2：5：3」と言われています。
マックのポテトならMサイズ⇒Ｌサイズ⇒Ｓサイズの序列、うなぎやお寿司なら上が選ばれやすく、特上、並の順に数が出ると言った具合です。
このような傾向があることを覚えておいていただき、ぜひみなさんもお試しください。もちろん、ネットショッピングやネットサービスでも応用ができます。

松竹梅の法則を活かすコツ

コツは「売りたい商品より、高い商品を用意する」です。
例えばネットショップで　3000円と6000円と２パターンのみで販売した場合、3000円のほうが売れますが、ここに10000円の商品を新たに追加したとします。するとどうなるかと言うと、「竹」である6000円の商品が一番売れるようになります。
ユーザーは、常に商品に対して深い知識をもっているわけではありません。そうなった場合、価格は購入の際の大きな判断基準となります。それだけに選択肢を与えるのはマーケティング上、非常に重要です。
それぞれの価格帯の商品をどう作るかですが、商品自体の数を価格帯で変えたり、サービス期間の長さを価格帯で変えたりと言った工夫で容易に調整できるはずです。
メインとして販売していきたい商品が真ん中の「竹」になるように設定しましょう。

松竹梅の法則を使うときの注意点

法則を使うにあたり、注意すべき点が２つあります。設定金額と、選択肢についてです。

＜金額の設定＞

理論上、真ん中の価格が一番売れるからと言って、上下の価格を適当に決めてしまうのはいけません。
一番値段が高いものがその価格に見合うものでないとクレームの種になりかねませんし、値段が安くても商品が粗雑ならクレームになります、
また、価格設定に明確な差がないと、ユーザーが判断できず困ってしまいます。
価格設定の際は、一番高い商品と二番目の売りたい商品の価格は広げて、一番安い商品は価格を狭めるとバランスがとれます。
10万円-5万円-3万円
24000円-15000円-12000円といったバランスが良いかと思います。

＜選択肢は増やしすぎない＞

選択肢が2つの場合、安いものを選択されます。
3つはちょっと選択肢が少ないんじゃないか、５つくらいがいいんじゃないか、と増やしたがる人もいますが、選択肢は増やしすぎないほうが良いです。選択肢が4つ以上だと、人間は頭を使いたくないという心理が働きます。比較すべきものが増えて面倒くさくなっちゃうからですね。
あまりの多くの選択肢があると情報が多すぎてユーザーはどれを選んでいいのか分からなくなります。いろいろ悩んだ結果、何もせず離脱してしまう可能性があります。
比較しやすく、ほどよい選択肢がある３つがちょうど良いのです。選択肢は多すぎず、少なすぎずがベストです。

まとめ

松竹梅の法則について、ご興味を持っていただけたでしょうか？
実は価格設定を松竹梅と3パターンに変えたことで、売上が大きく変わったという事例は意外なほど多くあります。
価格は見せ方次第で売上を変えることができます。ぜひ、参考にしてみてください。