ユーザーの好奇心をくすぐるツァイガルニック効果とは?
- 投稿日:2017年12月25日
- 作成者:watanabe.k
- カテゴリ:その他
年の瀬も押し詰まってきた今日このごろ。ECサイトはどこもかしこも「歳末バーゲンセール」「年末セール」で盛り上がっていますね。
そういったセールを行うホームページのキャッチコピーに「秋冬物売り尽くし!対象の商品が半額!!」といった文言を見ることがあります。
このような文言を見て、何か足りないと思いませんか?
そう、「対象の商品」って何?ってコトです。
一体何が売り尽くし商品で、何が対象商品なのかワカラナイ。
もしかしたら自分が欲しかった商品も入っているかもと思いキニナル。
結果ついついクリックしてしまいます。
情報が足りないのになんとなく気になってしまう。
実は、心理学でも研究されている人の心理特性の一つなのです。
ツァイガルニック効果
今回ご紹介するのは先ほど事例を挙げたツァイガルニック効果です。
ツァイガルニック効果とは、完成形より未完成や不完全なもの、発展途上のものほど印象に残るという心理効果の一つです。
人は完了したものより完了していないものの方が記憶に残りやすくなる。つまり「記憶に残る=興味がある」のがこのツァイガルニック効果のポイントです。
代表的な例として、よくテレビ番組で『衝撃のラストはCMのあと!』といったものを見かけることありますが、途中で中断されてしまった場合に気になってどうしても先を見たくなり、CMが明けるのをテレビの前で待ってしまう。これがツァイガルニック効果です。
解けない謎が残っているからどうしてもその答えを見てみたい、予想を超えたラストシーンが待っているのではいか、そういった期待感やウキウキとした感覚は、その「衝撃のラストシーン」よりも記憶に残ることが多いのです。
学生時代に修学旅行や文化祭、運動会などのイベントで一番楽しかった時を思い出してみてください。
修学旅行なら現地での思い出よりも行きのバスや電車の中が、文化祭なら準備している時、運動会ならお弁当に時間などが一番楽しかったのではないでしょうか。
若くして亡くなった歌手や俳優、現在進行系で建設しているサクラダファミリアが人々を魅了するのもこれと同じことです。
人は完成されているものよりも未完成なものを好む
人は完成されているものや記憶よりも、未完成なもの、イベントにおける未完成な記憶が、出来上がっていく過程が一番魅力的で印象的で楽しい物と考える傾向が強いです。
答えがわかってしまうと途端に陳腐になってしまう。未完成なものほど面白く感じるんですね。
もし、ミロのヴィーナスが両腕のついた完成形だったら、ここまで傑作扱いされたでしょうか。詩人・作家である清岡卓行は、その評論の中で「ヴィーナスの両腕の不在のゆえに、そこには想像力による全体への飛翔(原文では「特殊から普遍へ」の飛翔とある)が可能なのだ」と述べています。
日本だけでなく、世界中でこのヴィーナスの腕の欠損がヴィーナスを寄り魅力的なものにしていると論じられており、未完成なものが人びとの興味を引き立てる一つの代表例になっています。
ツァイガルニック効果の使用事例
ではこのツァイガルニック効果を、ホームページに利用してみましょう。きっとユーザーの印象に残りやすいページができ、クリック数やコンバージョンが増えるかもしれません。
①『続きはWEBで!』
続きはWEBで、カチ(クリック音)。っていうものです。
テレビCMで良く目にする手法ですが、CMで期待感を煽りホームページへ誘導するマーケティング手法ですね。
テレビCMでは具体的な説明はせず、期待感を煽るイメージ訴求を中心に構成し、ホームページを見ないと詳細が分からないような形にして誘導していきます。
CMで伝えきれない詳細な情報があり、ホームページへの訪問を促したい場合に有効な手法です。テレビCMを打つコストがネックになるかもしれませんが、キャンペーン時にはCM単独、ホームページ単独でのプロモーションよりも絶大な効果を発揮します。
②『たった3週間で売上が○倍に!』
ある程度使い古されているので、多用は禁物です。
大事な部分を伏せ字にして不足の情報にして、興味を持たせる手法ですね。
広告ではなく、ある程度温度感の高いユーザーに対し、メリットを伝える感じでメルマガやランディングページ中の文章で使用すると効果的です。
③『私がピアノの前に座るとみんなが笑いました。でも弾き始めると・・・!』
こちらはキャッチコピーとしてあまりにも有名なアメリカの通信講座の広告です。
日本でもこれと同じ手法が使われているのを良く目にします。
「たった1週間使っただけで、シミが…」「通常価格1万円が今なら…」と言ったように答えを寸止めにすることで、その後どうなったのか続きが気になるようにするコピーテクニックです。
まとめ
「敢えて全部情報を開示せず未完成にして、気になるところで終わらせる」
こうしたツァイガルニック効果を応用したテクニックは、ホームページやメルマガ、広告でもすぐに使える手法なので、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。