コアウェブバイタルの新しい指標「INP」とは?
- 投稿日:2023年06月13日
- 作成者:weblab
- カテゴリ:SEO
Googleは2023年5月に「2024年3月以降、コアウェブバイタルの指標の一つであるFIDをINPに変更する」と発表しました。
コアウェブバイタルの概要については、過去の記事をご参照ください。
コアウェブバイタルって何?まずは概要を理解しよう
https://www.site-shokunin.com/blog/marketing/4980.html
INP自体は以前から存在していましたが、FIDに代わってコアウェブバイタルの指標の一つになるということで、より重要な指標となったと言えるでしょう。今回は、このINPについてご説明します。
INPとは?
INPとは、Interaction to Next Paintの略称です。ユーザーがページにアクセスしている間に発生するインタラクションを計測して、そのページの応答性を評価する指標のことです。
インタラクションとは:相互作用のこと。ユーザーが何かのアクションをおこなったとき、システムが応答を返すこと。
つまり、一定のアクションに対して、どれくらいの速度で反応が返ってくるのかがわかる指標ということです。
正しく言語化するのなら、ユーザーの特定の操作に対して視覚的な反応が生じるまでに必要な時間を示した指標といえます。つまり、遅延を表す指標であるため、値の数字が小さければ小さいほど、遅れがないといえます。
INPが観測するインタラクションとは
INPは、次のようなアクションを観測します。
- クリックする
- タップする
- キーボード(物理/画面上)のキーを押す
クリックした時に何も応答がないと、ユーザーは「押せていないのかな?」と複数回クリックすることになってしまいます。また、スマホアプリなら戻るをタップされてしまうかもしれません。
つまり、INPによって定期的に数字を観測することで、インタラクションを軸とした「ユーザーにとって使いやすいページであるか」という評価を明確にできます。
FIDとINPの違いは?
現在コアウェブバイタルで指標の一つとされているFIDとの違いを説明します。FIDが「最初の入力遅延」に対して、INPは「全ての入力遅延」について観測されます。FID は、First Input Delayの名称の通り、計測対象が最初に限定されています。
一方で、INPはユーザーのWebページ滞在中に生じるすべてのインタラクションが計測対象となっています。つまり、FIDは最初の反応の遅れだけが計測対象であり、INPは次の3つの工程を計測しています。
- ユーザーが特定のアクションを実行するまでの時間
- コードの処理に必要な時間
- コードの処理の実行が完了し、ブラウザがその処理の結果を表示するまでに必要な時間
ここまで詳しく説明すると、FIDとINPの計測対象の違いについておわかりいただけたかと思います。
INPを改善するためには何をすべき?
INPの改善は、処理時間が長くなっている箇所を特定して、対策をすることが必要です。ただ処理時間を短くすればいいということでもありません。例えば、読み込みが長くなってしまうことが想定される場合は、ローディングアイコンを付けて読み込み中であることを表現することも有効です。
つまり、視覚的な要素によってユーザーが抱える問題を解決に導くことはできるということです。INPを改善するには、INP計測ツールを使って、問題の状況について知る必要があります。Googleが公開しているPageSpeed Insightsを利用すれば、INPを簡単に計測できます。
PageSpeed Insights
https://pagespeed.web.dev/?hl=ja
INPの計測結果については、次の値を参考にチェックしましょう。
- 良好な状態:200ミリ秒以下
- 改善が必要な状態:200 ミリ秒超から500 ミリ秒以下
- 不良な状態:500ミリ秒超
改善すると上位表示される?
現在、Googleの公式見解にて、コアウェブバイタルやこのINPは、ランキング要因ではないことが明らかになっています。そのため、INPを改善したからといって、現状では上位表示につながるわけではありません。
事実、ランキングシステムを紹介するドキュメントから、これらと関連する要素が削除されています。しかし、順位には関係ないとはいえGoogleが着目している指標として、頭の片隅には入れておいた方が良い指標といえます。
まとめ
INPの改善がランキング要因ではないと明言されても、今後もユーザーのために制作を進めていくことには変わりありません。INPの値が悪いということは、ユーザーに何かしらの悪影響を与えている可能性が高いです。
たとえ小さな不満でも、離脱につながってしまう要素であれば、速やかな改善が必要です。ユーザーエクスペリエンスを向上させるためにも、Googleが目指すべき世界に合わせたWebサイト運営を行いましょう。